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今回は、先日発表されたポケモンカード公式チャンネルにおけるCL札幌デッキ分析を参考に、

・変幻の仮面、注目カードの発売後の評価

・CL札幌までの環境の遷移

・CL札幌の結果と主要デッキの解説

・CL札幌後の環境の遷移

・次回の大型大会であるJCSの環境予想

以上の項目を書いていきます。

変幻の仮面注目カードの発売後の評価

○レガシーエネルギー

発表から現在まで、ルギアVSTARの新しい選択肢として研究されてきたであろうこのカード

発表当初に

オーガポン いしずえのめんex

オーガポン いどのめんex

テツノカイナex

テツノイバラex 等 

とりあえず強そうなカードを全部入れて回してみましたが、ルギアはもともとベンチが狭く、必要でない対面において、必要でないカードでスタートした場合、チラチーノの展開の妨げになるデメリットが大きいです。

そのため、元々有利であったリザードンex に対して勝率を落としてしまい、レガシーエネルギー自体は弱くはないが、採用カードを絞る必要があり、下馬評ほどの強化ではなく、リザードン視点で いしずえのめんex は考慮しなくてもよいという結論になりました。

実際、CL札幌でもレガシーエネルギー採用のルギアには、テツノカイナexのみ採用の構築か、いどのめんexの採用までの構築が多かったように見受けられます。

レガシーエネルギー不採用ルギアと比較した、レガシーエネルギー採用型ルギアの優位点は、ルギアミラーにおいて後攻側はルギアを盤面に2体出す必要があり、後攻側は2体目のルギアの分、サイドレースで不利を取るケースが多かったのですが、レガシーエネルギーの登場により、相手のサイドプランを崩し、ミラーの後攻の回答になりうる点が優位ではないかと思います。

○おはやし笛

CL札幌前までは、リザードン1強環境だったため、リザードンに有利であるカビゴンLOの強化パーツとして注目されました。

カビゴンLO自体、LO(ライブラリアウト)というデッキの性質もあり、もともと対戦環境のシェア率が高くはありませんでした。

その要因も相まって、結果としてカビゴンLOのシェア率増加には繋がらなかったようには思えますが、前述したように、ルギアはベンチが狭いデッキですので、おはやし笛によってルギアの理想的な盤面展開を阻害する価値は高く、環境が固まるにつれ、カビゴンLOの増加の要因になりうるカードだと思います。

○オーガポン いどのめんex

今回の環境においては、主にルギア、次いでパオジアンexに採用されたカードかと思います。

いどのめんexは、かがやくゲッコウガのワザ「げっこうしゅりけん」に似た、ワザ「げきりゅうポンプ」を持っていますが、かがやくゲッコウガと異なる点として

➀バトルポケモンにダメージ+ベンチ狙撃である

➁ワザの追加効果が任意である

③追加効果を使用した場合エネルギーが山札に返る

④ワザ「げきりゅうポンプ」を使用するためのエネルギーが水無無である

⑤ダメージが100+120である

など、細かいですが差分は大きいです。

さながら小さくなったピカチュウ&ゼクロムGXの追加効果ありタッグボルトGXといったところでしょうか。

①「バトルポケモンにダメージ+ベンチ狙撃である」は、ベンチポケモン2匹をきぜつさせたい場合、ベンチポケモンをバトル場に呼び出すカードが必要になるため、かがやくゲッコウガと比較した場合、使いづらい部分と言えるでしょう。

②「ワザの追加効果が任意である」は、ワザの性質と相性がいいです。

相手が進化デッキ、例えばリザードンで相手の場にヒトカゲが1匹であった場合、追加効果なしでワザを打つことで、次のターンに2面処理を温存することができます。

また、ドラパルトのようにダメージラインが200程度であれば、いどのめんexでサイドを3-2交換することも可能です。これはかがやくゲッコウガでは成しえない動きです。

③「追加効果を使用した場合エネルギーが山札に返る」は、現状いどのめんexが採用されている、ルギア、パオジアン共に相性が良いです。

特にルギアにおいては、いどのめんexが「げきりゅうポンプ」の返しにきぜつさせられた場合でも山札からエネルギーが減らず、特にレガシーエネルギーを山札に返すことにより、相手のサイドプランを後々ずらせたり、テツノカイナを使えたりと、メリットが大きいです。

パオジアンにおいても、山札にエネルギーを返すことで、いどのめんexがきざつさせられるターンにナンジャモやアンフェアスタンプ等によるハンド干渉を使用されても、パオジアンの特性「わななくれいき」によって手札に加えた水エネルギーを使用してかがやくゲッコウガの特性「かくしふだ」を使用できるといった行動保証がある点が大きな差分かと思います。

④「ワザ「げきりゅうポンプ」を使用するためのエネルギーが水無無である」は、現状ルギアに採用できる点が優秀ですが、今後水タイプのエネルギー加速手段が増えた場合に、ダブルターボエネルギーと併せて1ターンでワザを打てる可能性がある点で今後も検討の余地があります。

⑤「ダメージが100+120である」は、相手のベンチのチラチーノやビーダルをきぜつさせることができます。

地味にいどのめんexのワザの「すすりなくも」強力で、無色エネルギー1つで、 ポケモンのどうぐ に、にげる行動を一任している、未来バレットや、ドラパルトに対して1ターンを生み出せる可能性を持っています。

Hレギュレーション終盤まで見かける可能性のあるカードだと思います。

○オーガポン いしずえのめんex

特性「いしずえのかまえ」がアローラロコンVSTARのワザ「スノーミラージュ」と似た効果を持っているカードです。

こちらもロコンとの差分を書き出すと

①ワザの効果ではなく、特性による効果である

②たねポケモンである

③「ぶちやぶる」のダメージが140で弱点を計算しない

が挙げられます。

①「ワザの効果ではなく、特性による効果である」は、特性持ちにからワザのダメージを受けなくなるために、一度ワザを打つ必要がなく、ベンチに下がっても効果が消えない点が優位点、特性消し(テツノイバラexやハバタクカミ)に貫通されることが劣位点、となります。

基本的には優位点が多く、ワザの要求エネルギーは違いますが、使いやすくなったロコンという認識で問題なさそうです。

また、ロコンのメリットとして、Vポケモンであるため、アルセウスVのワザからエネルギーの加速を受けられましたが、これはあくまでロコンが最速でワザを打つために必要な行程であったに過ぎません。特性持ちからワザのダメージを受けなくなる点でワザを必要としないいしずえのめんexには、さして影響しないと言えます。

更にこれは今後の話ですが、過去の傾向から頂への雪道のようなポケモンの特性をなくすスタジアムが出た場合、こちらはロコンにおいても同様、相手のバトルポケモンの特性もなくなって相手ポケモンによるワザのダメージがロコンへ通るようになるため、いしずえのめんexが特性によりダメージを受けない点においては直接的な問題ではありません。

➁「たねポケモンである」は、進化という行程が必要でない分、デッキの枠が空く点と、ワザのダメージを受けなくなるまでに必要なターン数が短い点、たねポケモンであるため勇気のおまもりの対象である点が優位点です。

HPは30少ないですが、メリットと比較した場合、こちらもさして気になりません。

③「「スノーミラージュ」のダメージが140で弱点を計算しない」は、地味に差が大きいと言えます。こちらに関しては「スノーミラージュ」の方が明確に優秀です。

弱点をつけないため、テツノカイナex、テツノイバラex等から先にワザのダメージを受けてしまうと、打ち合いで負けてしまいます。

また、ダメージも160であればドラパルト等の320ラインに先にダメージを与えることで打ち合いに勝つことも可能ですが、140ではそれも叶いません。

まとめると、ロコンよりもさらに明確にメタに振り切るためのカードだ、と言えます。

これまでロコンは、アルセウスと組み合わせた場合、ギラティナV等と併せてある程度ワザの打ち合い、道中の緩いメタとして相手の行動を制限するカードとして使用されていましたが、いどのめんexはメタ外は全切り、メタ内に全部勝つためのカードとしての側面が強いという意味です。

もちろん、たねポケモン+特性である点から、現環境のリザードンは基本的にいどのめんex1枚で完封できるので、例えばどうしてもリザードンがきついが、リザードン以外には勝率が高いデッキに闘エネルギー1枚+いどのめんexで対策する、という使い方もできます。

こちらも、緩いメタではなく、完全に詰ませて勝つ点で、ロコンよりもさらにメタ要素が大きいと言えるでしょう。

逆説的に、現状レガシールギアに採用するメリットはほぼない、とも言えます。

現環境においては、ドラパルトに対してあまりに無力であり、日の目を見ることはありませんが、追加カードが出るたびに使用を検討する価値があるカードです。

こちらもHレギュレーション終盤まで見かける可能性のあるカードだと思います。

○ドラパルトex

率直な感想、多くの人が初見でこのカードの強さに気付くのは難しいのではないか、と思います。自身もその一人でした。

というのも、このカードが強い要因は「進化・ロスト環境」にあるからです。

たねポケモン主体の環境では、ここまで猛威は振るわないことでしょう。

現に、CL札幌当日、その後において、ミライドンexやタケルライコex+オーガポン みどりのめんexが台頭しています。

ぱっと見、高耐久環境においてはダメージが足りなさそうに見えますが、高耐久ポケモンは進化ポケモンであり、進化ポケモンの下のたねポケモンにとってダメカンを6つばら撒くことがいかに脅威かは、体験しなければ気づきにくい部分なのかもしれません。

まず、ドラパルト登場前の環境についてですが

リザードンが圧倒的Tier1 次いで、そのリザードンを1回の攻撃できぜつさせることのできるトドロクツキexのワザ「くるいえぐる」が使用できるロスト、ワザ「スペシャルコロコロ」をもつチラチーノを使用するルギアという構図でした。

それを踏まえてドラパルトの強みをあげると

①ワザ「ファントムダイブ」が強力である

①-①あえてきぜつさせないができる

①-②ワザマシン デヴォリューションが存在する

②ドラゴンタイプであるため、弱点がない

となります。

①「ワザ「ファントムダイブ」が強力である」は、まず最速2ターン目にバトル場に200ダメージ+ベンチにダメカンを6個という

強すぎる上振れが存在することが脅威です。これは言い換えれば先攻2ターン目に相手の主力ポケモンを2体きぜつさせていることと同義であり、並大抵のデッキでは耐えられません。

また、ファントムダイブのワザの性質として、総ダメージは260ですが、60が極めて無駄になりにくく、ドラパルトの場持ちを複合して考えると、バトルポケモンへの200ダメージで足りない部分を自身の追加効果で補うこともできます。

特に、前シーズンの覇者であるリザードンは、「待つ」デッキです。

ロトムVの特性「そくせきじゅうでん」により盤面を作り、盤石の態勢を築いてから、カウンターキャッチャーやナンジャモを使用してリザードンの高耐久を押し付けてくる戦術が強力でした。

しかし、ドラパルトはそれを許しません。

リザードンが早い段階から攻撃に転じなければならなくなってしまった場合、既存の構築ではピジョットを有効に使用できず、ドラパルトに採用されているドロンチの特性「ていさつしれい」により毎ターンリソースの差が開いてしまいます。

加えて①-①の「あえてきぜつさせない」が強力です。

今期のポケモンカードのコンセプトは「逆転」であり、相手にサイドを先行されることにより、カウンターキャッチャーやリザードンのワザ「バーニングダーク」、ナンジャモを強力に使用することができますが、あえてサイドを取らずに、後半でまとめてサイドを回収することによって、それらのカードの効果を半減以下にすることができます。

これは、対タケルライコにおいてサイドを進めないことによってスナノケガワexの特性「じりょくきゅうしゅう」を働かせないなどにも応用できます。

そこにさらに①-②「デヴォリューションの存在」があります。

ルール上、ポケモンカードゲームは場に6枚までしかポケモンを出すことができません。

リザードンの場合、ロトムV ポッポ×2 ヒトカゲ×3 等が標準盤面ですが、これは言い換えればヒトカゲ3体を1ターンで倒すことができる場合、リザードン側は次のターンリザードンで攻撃ができない、ともいえます。

リザードン側がヒトカゲから進化しない場合、ファントムダイブの追加効果でヒトカゲがきぜつさせられてしまい、進化した場合はデヴォリューションによってヒトカゲを盤面から消されてしまいます。

また、ドラパルト側の試合展開に速度を合わせた場合、ふしぎなアメでリザードンとピジョットを場に早期に着地させる必要がありますが、ナンジャモ+デヴォリューションによってリザードンにふしぎなアメを再度要求し、ターンを稼ぐ動きも存在します。

リザードン側もミストエネルギー等によって対策できるように見えますが、ドラパルトにとって対策をさらに対策することは容易であり、改造ハンマーやシンオウ神殿によって盤面が崩壊してしまうことも少なくありません。

リザードン側は、従来のミストエネルギー採用だけではドラパルトのに不利を取ってしまうため、デッキ単位で大きくドラパルトに厚くする必要があります。

厳密に言うと、ドラパルトのゲームプラン「先にワザを使用して試合のテンポを奪う」

と、デヴォリューションの「まとめてサイドを取る動き」は、相反する関係性にあるため

デヴォリューションがドラパルトに必須のカードではないと思います。

ドラパルトのワザ「ファントムダイブ」は非常に強力であるため、その「ファントムダイブ」を使用することとデヴォリューションを使用することの天秤は難しいですが、前述した、あえて倒さない動きに比重を寄せたドラパルトにおいては、デヴォリューション2採用等も考えられるため、緩急自在なゲームプランに1役買っているのがデヴォリューションの存在であり、対ドラパルトにおいては、常に考慮せざるを得ない点だと言えます。

②「ドラゴンタイプであるため、弱点がない」は、単純にピンポイントのメタを受けにくい点で優秀です。

リザードンは相手のデッキに草エネルギーが入るのであれば、テツノイサハexを考慮する必要がありましたが、ドラパルトにはその必要がありません。

すなわち、基本的に進化さえしてしまえば、ほぼ相手のワザを一度耐える耐久力の高さがあると言えます。

ドラパルトは、単体性能が非常に高く、進化元も優秀な特性であり、さらにドラパルトが強い環境が合致した結果、登場後すぐに使用率を急上昇させ、リザードンに取って代わりTier1に躍り出ました。

今後も進化環境下においては長く活躍するカードでしょう。

そのほかにも

オーガポン みどりのめんex

マシマシラ

スグリ

ハンディサーキュレーター

ジャミングタワー

など注目カードはありますが、今回紹介したカードと比較すると説明する点が少ないため、割愛します。

次に、変幻の仮面発売後からCL札幌までの環境の遷移についてです。

引用元 ポケカブック様

事前予想では

ルギア→リザードン→ドラパルトのシェア順でしたが、蓋を開けてみると

新弾発売2週目にしてリザードンが大きく数を減らし、ドラパルトが使用率1位

次いでルギアとなりました。

引用元 ポケカブック様

その後、CL札幌直前週にはドラパルトがさらに数を増やし、ルギアと合わせて50%近い数字を占める結果となりました。

データから考えると、今回のCL札幌、DAY1において、ドラパルトとルギアに不利のつくリザードンは絶望的に立ち位置が悪いように見えます。

実際は、リザードン側の対策次第でドラパルトへの不利は埋められ、ルギアに関してもレガシールギアの増加により、従来のギプスチラチーノほどルギア側がチラチーノに重点を置かなくなった結果、不利幅は縮まっているのですが、一般的な感覚でこのシェアの環境にリザードンを持ち込むのは相当な環境読みと胆力を要することでしょう。

かくして、CL札幌はドラパルトを煮詰める側とドラパルトをメタる側の構造となりました。

結果から言うと、ドラパルトのみにメタの重点を置いたデッキもある程度の勝率があったことに違いはありませんが、勝ち残ったデッキ、ミライドンexやサーナイトexに共通する特徴は「リザードンに不利であるが、ドラパルトとルギアに有利」といったものでした。

勝ち上がった層は、環境読みの精度が高く、今回の環境の難しさと勝敗におけるデッキ選択の占める割合の高さが伺えます。

CL札幌の結果と主要デッキの解説

○ドラパルトex

デッキの型を大きく4つに分けると

①エヴォリューション+ネイティオ

②ピジョットex

③リザードンex

④ロスト

となりますが、今回はCL札幌でシェアの多かった①②③について解説します。

その前に、ドラパルトに採用されるエーススペックについても触れておきます。

・ポケモン回収サイクロン

ミラー戦に重きを置いたカードです。汎用性も高いですが、エネルギー加速手段を搭載していないピジョット型の場合は採用が難しいです。

・アンフェアスタンプ

ドラパルトは、ゲームの主導権を奪うプランで戦うデッキであるため、サイドを先行する場合が多く、ナンジャモを強く使いにくい場合が多いです。

その場合に疑似的なナンジャモとして使用できるのがアンフェアスタンプです。

また、ドラパルトexのワザ「ファントムダイブ」はダメカン6個を相手のベンチポケモンに好きなように乗せる追加効果によって相手のシステムポケモンに対しても圧をかけることができます。

従来、アンフェアスタンプを受ける側は、盤面を整えてから相手のポケモンをきぜつさせることでケアができましたが、ファントムダイブの圧により、準備が不十分なまま攻撃を強いられてしまい、結果的にアンフェアスタンプを強く使われてしまいます。

ミラー戦においては、ドラパルトを倒さずにまとめ取りを狙うことで比較的容易にケアできるため、その点はデメリットと言えます。

・プライムキャッチャー

汎用性の高いカードです。ドラパルトは比較的入れ替え札が少ないデッキであるため、入れ替え札としての役割も担えます。

また、盤面のダメージをコントロールしやすく、サイドのまとめ取りを狙うデヴォリューション採用型であれば、プライムキャッチャーの採用によってさらにデヴォリューションを強く使えます。

・ネオアッパーエネルギー

ワザ「ファントムダイブ」が使用しやすく、主にピジョット型において先行2ターン目のファントムダイブに重きを置いたカードと言えます。

デメリットとして、改造ハンマー+手札干渉に耐性が低く、次ターンに「ファントムダイブ」を使用できなくなってしまうケースがあります。

前置きが長くなりましたが

①「エヴォリューションネイティオ」型から記述いたします。

 CL2024札幌 マスターリーグ Best4

デッキコード 6LnggQ-4jmyO2-NnQg6H

エヴォリューションネイティオ型のメリットは

・先後によるデッキパワーの差が少ない

・エネルギー加速手段があり、「ファントムダイブ」を使用する難易度が低い

・ドロンチの特性「ていさつしれい」とネイティオの特性「アカシックセンス」により、強い手札を作りやすい

・ドラパルト以外のex/Vポケモンを盤面に出さないプレイがしやすい

・ミラー戦において、ドロンチを挟んでドラパルトを作ることで、ふしぎなアメへの依存度が下がり、相手ポケモンの使用する「デヴォリューション」が効きにくい

デメリットは

・他の型のドラパルトに比べ、先に「ファントムダイブ」を使用しにくい

となります。

②ピジョット型のメリット

・リザードン型以外のドラパルトに比べ、先行2ターン目にファントムダイブを使用できる可能性が若干高く、そのまま押し切り勝ちが狙える。

・盤面さえ整えれば、ピジョットの特性「マッハサーチ」によってボスの指令にタッチしやすく、ボードコントロール力が高い

デメリットは

・ペパーを使う性質上、手札が細くなりやすく、先に攻撃するドラパルトの性質と相反する部分がある。

・ネオアッパーエネルギーを採用した場合でも、ドラメシヤスタート以外の場合、バトル場のポケモンを逃がす必要があり、先攻2ターン目ファントムダイブの成功率がそこまで高くない。

・ミラー戦の際、システムがピジョットであるため、サイド2~3枚を回収されやすい。

・ミラー戦の際、盤面のドロンチの数が少なくなりやすく、相手にハンド干渉+デヴォリューションを使用された場合に盤面復帰のハードルが高い。

となります。

他の型のドラパルトよりも、ドラパルトの強みである「ファントムダイブ」によるゲームテンポ奪取がしやすく、攻めに寄った型と言えますが、デメリットの多さからか、

CL札幌後、現時点の環境では、ピジョット型は減少傾向にあり、ミライドンやサーナイトやタケルライコに対してリザードンで戦う③「リザードンex」複合型が数を伸ばしています。

③リザードンex型のメリット

・序盤はドラパルトで盤面を崩し、終盤は高火力のリザードンで詰める動きが理にかなっている。

・リザードンの特性「れんごくしはい」により、エネルギーをつけることができなかったターンがあった場合でもワザが使用しやすい。

・「れんごくしはい」により、バトル場のポケモンにエネルギーをつけて逃がすことができるため、他の型のドラパルトよりも先行2ターン目のファントムダイブが使用しやすい。

デメリットは

・システムをドロンチに依存しているため、他の型のドラパルトよりも手札が細くなりやすい。

・2進化のアタッカーが2種類あるため、ふしぎなアメの重要性が高く、手札事故が発生しやすい。

となります。

それぞれのドラパルトに課題はあるものの、やはり根本的に進化環境においてドラパルトは非常に強力であり、JCSに向けて今後もさらに研究が進むと予想され、煮詰められたドラパルトに勝つのは容易ではないでしょう。

また、ドラパルト自身も進化デッキであるため、ドラパルトに勝つアプローチとしてドラパルトを選択する、といったケースも少なからず存在し、それもドラパルトが環境を占有する1つの要因になっています。

○ミライドンex 

CL2024札幌 マスターリーグ 優勝

デッキコード 5kFfkF-CUrUkD-vwk55V

CL札幌直前のドラパルト・ルギア2強環境に、どちらに対しても有利であるミライドンが大会を制する結果となりました。

ミライドンの天敵であるリザードンが、前述の通り減少していることもデッキ選択の要因であろうかと思います。

ルギアに対してはタイプ相性、ドラパルトに対しては勇気のおまもり+テツノカイナが有効で、ドラパルトのワザを1回耐えつつ、ごっつあんプリファイを2回使用することでサイドを4枚回収することができます。

また、ポケモンカードには他TCGと違って、たね切れ負けが存在します。

手札事故的な要因で、ゲームが終わってしまうたね切れ負けは、自分以外にも平等に発生しうるとはいえ、9戦中3敗してしまえばドロップになってしまうCLにおいては1回のたね切れ負けでも激痛です。

その点、ミライドンは採用されているポケモンの全体的なHPラインが高く、後攻1ターン目のウッウのワザ「おとぼけスピット」では決着しにくい上に、ミライドンの特性「タンデムユニット」により盤面展開のハードルが低く、序盤の盤面の再現性が高いです。

また、ミライドン側は後攻1ターン目にライコウVがワザを使用するハードルが低いため、相手のたね切れ勝ちを狙えるデッキでもあり、総じてCL向きのデッキと言えます。

現在では、メタ回りによってリザードンが復活の傾向にあり、更にタケルライコのようなHP240族のたねポケモンも増加しているため、それらを苦手とするミライドンは数を減らしています。

一瞬の環境の隙間を縫うようなミライドンの活躍に、目まぐるしく動く環境と、それを読むことの面白さと難しさが表れています。

○ハピナスex+マシマシラ 

本デッキはドラパルトを倒すために生まれたデッキといっても過言ではありません。

中打点とのワザの打ち合いにめっぽう強く、ハピナスexの特性「ハッピースイッチ」と

マシマシラの特性「アドレナブレイン」を組み合わせることにより、打点調整と耐久を兼ね備えたデッキです。

アルセウスVSTAR入りで、スターバースで必要札を回収する型と、後攻でワザマシン「エナジーターボ」を使用してエネルギーを加速する型に分かれます。

どちらも無色ポケモンであることからチェレンの気配りの対象であり、いわゆるゾンビデッキにあたります。

しかし、チラチーノのワザ「スペシャルコロコロ」のようないわゆる青天井ワザに対しては無力であり、要求される盤面やワザのシビアさから事故率も高く、活躍の幅は初見殺しの範疇を出ませんでした。

数年前のCLであれば、おそらく当日に彗星のごとく登場するTier1ガンメタデッキだったのですが、昨今のシティリーグ入賞デッキ公開制度も相まって、既に旬を過ぎてしまっていた印象です。

重ねて、昨今のポケモンカードはメタ回りの速度が加速傾向にあり、デッキ選択の難しさをここでも印象づけられました。

現環境でも、リザードン復調の今、リザードン側の待つプレイに対して無力であり、

立ち位置は比較的悪いと言えます。

○サーナイトex

CL2024札幌 マスターリーグ 準優勝 

デッキコード pySyyp-QCBUpG-RE2My2

見た目ではサーナイトは、進化デッキの性質上ドラパルトに不利がつきそうですがマシマシラ+悪エネルギー+クレセリアのワザ「ムーンライトリバース」によって、ダメカンばら撒き合戦にカウンターパンチを放つことができます。

また、デッキ安定性も高く、非ex/vで盤面を作れる性質上、多少の展開遅れも巻き返せる点で、CL向きのデッキだとも言えます。

今回準優勝のデッキは、ペパー+エヴォリューション型ではなく

先行を選択した上でカイ+ハイパーアロマで盤面を作ることをコンセプトとし、ドラパルトを意識した構築になっていることが伺えます。

メタ回りの点でも、サーナイトに関する情報はハピナスマシマシラやミライドンと比較して少なく、ドラパルトに弱そうという先入観から調整の優先度が低かったのではないかと推察します。

実際の相性関係は、サーナイトがドラパルトに大きく有利がつくわけではないのですが、世のドラパルト使いが、CL札幌の時点でサーナイト対面の経験値が少なかったことが勝因なのではないでしょうか。

カイ・マシマシラ採用型の工夫は、決勝に進出するべくして進出したと言え、敬服するばかりです。

○ルギアVSTAR

CL2024札幌 マスターリーグ Best4 

デッキコード 48Y8Dc-D7682W-48D8Jc

レガシーエネルギー採用型シェアが多かったですが、ミライドンの活躍もあり、シェアに対して勝ち上がった数は少なく見えました。

ドラパルトとの相性関係ですが、ルギア側はHP70のチラーミィ採用が一般的になり、1ターンでチラーミィ2体がきぜつするケースはなくなりましたが、そもそもレガシーエネルギーを採用することによる弊害として、チラチーノラインが細くなってしまうため、結果的に±0のバランスになっており、ピジョット型には微有利、ネイティオ型には微不利

に落ち着いています。

先行2ターン目アッセンブルスターのゲーム決定力もあり、今後も一定数の活躍が見込まれますが、リザードン全盛環境よりは、身動きが取りづらそうです。

CL札幌後の環境の遷移

○リザードンex

前環境の覇者リザードンexが、新環境仕様へアップデートを経て帰ってきました。

主な変更点は

①    特性「はたらくまえば」のビーダルの採用

②    ワザマシンエヴォリューションの採用

③    HP70ヒトカゲの採用+HP60ポッポの採用

④    かがやくアマージョの採用

⑤    フトゥー博士のシナリオの採用

⑥    ミストエネルギーの不採用

⑦    ジャミングタワー or ビワの採用

となります。

どれも、基本的にはドラパルトに照準を合わせた変更となっており、進化デッキにとっていかにドラバルトの存在が脅威かが伺えます。

①「特性「はたらくまえば」のビーダルの採用」②「ワザマシンエヴォリューションの採用」に関しては、相手が先行の場合に先行2ターン目ファントムダイブをクリティカルにしないためであるのと、ワザを使用し始める速度をドラパルトに合わせた場合、手札が細くなるのを防ぐ意味合いがあります。

また、エヴォリューションを経由することで、ふしぎなアメの大幅な節約に繋がり、相手が使用するデヴォリューションから復帰する際のハードルを下げている点もポイントです。

③④⑤は、ドラパルトの中打点+ばら撒きに対する回答です。

③「HP70ヒトカゲの採用+HP60ポッポの採用」は、ファントムダイブの追加効果によって、ヒトカゲがきぜつするのを防いでいます。

ヒトカゲ70+ポッポ50の場合、ポッポをきぜつさせる際に余った10ダメカンをヒトカゲに乗せられるのを防ぐため、ポッポも60になっています。

余談ですが、HP70のヒトカゲは2種類存在しますが、おまつりおんどのカミッチュをきぜつさせられるため、ワザ「ひのこ」のヒトカゲ採用となっています。

④は、ドラパルト対面では、リザードンに刻んだダメージをかがやくフーディンによってピジョットexに移し、ピジョット+たねポケモンでサイドを3枚取られてしまうケースが生じますが、かがやくアマージョの特性「エレガントヒール」によってそれを許しません。

デメリットとして、デッキに1枚しか採用できないかがやくポケモンの枠でかがやくリザードンが採用できないため、かがやくアマージョ入りがスタンダードになった場合、オリジンディアルガVにとっては若干の追い風かもしれません。

⑤「フトゥー博士のシナリオの採用」は、エヴォリューションを経由してふしぎなアメを節約できるおかげで、フトゥー博士のシナリオを使用しやすくなり、リザードンの土俵である終盤の高打点火力・耐久力を実質的に引き立て、逆転勝ちを拾うプランに一役買っています。

⑥「ミストエネルギーの不採用」は、ドラパルトにシンオウ神殿+改造ハンマーが標準搭載であることからミストエネルギーが不要となりました。

これはトドロクツキexにとっては若干の追い風要素です。

⑦「ジャミングタワー or ビワの採用」は、サーナイトやミライドンを意識する場合はジャミングタワー、ロストやミラー戦を意識する場合はビワの採用の選択となります。

個人的には、サーナイトやミライドンにはリザードンが有利だと考えているので、基本はビワを採用するケースが多いのではないか、と思います。

元々ビワは妨害カードの中でもかなり強力な部類でしたが、ドラパルトのゲーム速度に合わせた環境では、うまくビワを挟むターンが作れないため、採用率が減って行った背景があります。

その環境において、ドラパルトをデッキ単位で対策することで、ビワを採用するスペースとターンを生み出せるのは、リザードンの特権だと言えます。

リザードンの復権により、現時点での環境はさらに混沌を極め、JCS出場者のデッキ選択をさらに難解にする要因になっています。

○タケルライコex+オーガポンみどりのめんex

ミライドンやドラパルトの苦手とするHP240族のポケモンであり、リザードンの苦手とする青天井ワザ「きょくらいこう」を持つタケルライコが新要素であるオーガポンみどりのめんexを取得して環境に躍進を遂げました。

元々、タケルライコはスナノケガワexとセットで運用されて来ましたが、スナノケガワexの特性「じりょくきゅうしゅう」は相手に取得されたサイドの枚数に依存するため、あえてサイドを取らない動きをするドラパルトのようなデッキに対して無力でした。

しかし、みどりのめんexは、取得されたサイドの枚数に関係なく、能動的に場にエネルギーを加速できるため、タケルライコの攻撃速度を劇的に加速させました。

更に、古代デッキはオーリム博士の気迫に依存する関係上、手札が細くなりがちですが、みどりのめんexの特性「みどりのまい」にドロー効果が付与されているため、若干の動きやすさをもたらしています。

また、特性を使うために草エネルギーを必要とすることから、ある程度の枚数の草エネルギーを採用しなければなりませんが、オーリム博士の気迫を使用する条件として、トラッシュにエネルギーがある必要があるため、デメリットになりにくい点も優秀です。

弱点として、小回りが利きにくく、非ex/Vとの対面を苦手とする部分があげられますが、環境トップであるドラパルトが非ex/Vに対して強いため、結果的に苦手なデッキが少ない点がタケルライコに追い風としてはたらいています。

JCSの環境予想

ここまで、CL札幌以降の環境デッキについて解説してきましたが、今回のJCSにおける環境読みは近年稀に見る難しさだと思います。

そもそも、現時点でも環境が定まっておらず、一週間でシェアが大きく動いてもなんら不思議ではない程です。

もし、現時点でJCSに出る場合、個人的に警戒すべきデッキは

リザードンex

サーナイトex

ドラパルトex

ルギアVSTAR

※1ランク落として

タケルライコex

だと考えます。

この場合の考え方は

「この中からデッキを選択する」

「この中のデッキ全てに五分以上のデッキを見つける」

になります。

さらに、JCSはプレイヤーレベルが高いため、トップメタを使用する場合、相当な練度が必要になります。

よって個人的な候補デッキは

トップメタの場合 リザードンex・サーナイトex

メタ外の場合 サーフゴーex・ディアルガVSTAR

とします。

サーフゴーとディアルガは、リザードンのかがやく枠がアマージョになったことが小さいながら追い風です。

○サーフゴーex

サーフゴーはゲームスピードの比較的早いデッキであり、ドラパルトの速度についていける点で優秀です。

オリジンパルキアVSTARが採用されている場合、オリジンパルキアVSTARの特性「スターポータル」によってかがやくゲッコウガのワザ「げっこうしゅりけん」を使用したベンチ狙撃もあり、比較的小回りが利くうえで、サーフゴーのワザ「ゴールドラッシュ」は青天井ワザのため、240族への回答でもあります。

現時点では、ビワの採用が減っている部分も加点要素です。

ビワが環境に復帰してくると途端に厳しくなってしまうため、今後の動向次第で大きく立ち位置が変わりそうです。

○オリジンディアルガVSTAR

ディアルガは、ディアルガを一回のワザのダメージで倒してこない相手に対して有利であり、仮に青天井ワザを使用された場合も、ディアルガVSTARのワザ「スタークロノス」を絡めてアタッカーをきぜつしきれば、更に追加ターンを得ているに等しい動きをすることができます。(スタークロノス+メタルブラストで相手のチラチーノを全て倒す等)

ミライドンには不利ですが、現在減少傾向にあるため、その点は追い風です。

他にロスト系統も苦手なので、今後の環境次第で活躍が見込めるデッキだと思います。

サーフゴーとディアルガは事故率が比較的高い傾向にあり、その点はマイナスですが、JSCはプレイヤーレベルが高いため、「私が出るなら」で考えた場合は、デッキパワーで押し切って勝つ方が分が良さそうです。

※メタが回って鋼が増えた場合、ウガツホムラex+マシマシラの台頭も考えられなくはないですが、あまり器用なデッキではないので、ブラッシュアップされなければ考慮せずとも良さそうです。

ウガツホムラex+マシマシラ デッキリスト例

終わりに

ここまで本記事を読んでいただき、ありがとうございました。

記事を書くことは初めての経験でしたので、至らない点もあったかと思います。

少しでも皆様のポケカライフのご参考になればと思います。

JCSが終わると公式の大型大会はオフシーズンを迎えてしまいますが、自主大会は盛んに行われていることかと思います。

トレカスタートさん主催のトレカスタート杯も都度開催されておりますので、ご都合の良い方はぜひご参加の上、参加賞や景品でもらったクーポンをカードショップねがいぼしでご使用いただけると、ハッピーでございます。

それでは。

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